骨粗鬆症という病名を一度は聞いたことがあるかと思います。この骨粗鬆症は骨ミネラル濃度(BMD)の低下が特徴の骨代謝疾患であり、男女どちらにも影響を及ぼします。世界中の骨粗鬆症患者は2億人以上と推定され、この骨粗鬆症で最も頻繁に起こるがが骨折です。骨折の年間発生頻度は890万人を超え、そのうち160万件は股関節の骨折で、その75%が女性です。

厚生労働省の「e-ヘルスネット」では骨粗鬆症をこのように説明しています。

骨の代謝バランスが崩れ、骨形成よりも骨破壊が上回る状態が続き、骨がもろくなった状態のこと。骨は骨芽細胞によって骨形成されると同時に破骨細胞によって骨吸収され、常に新しく作り直されるという新陳代謝(リモデリング)を繰り返しています。通常は骨吸収と新たな骨形成のバランスが保たれていますが、これが崩れて骨吸収が上回った状態が続くと骨量が減少してしまいます。その結果骨がもろくなり、容易に骨折するような状態になるのが、骨粗鬆症です。

厚生労働省「e-ヘルスネット」骨粗鬆症

軽く転倒しただけでも骨折が起きてしまう骨粗鬆症。この骨粗鬆症の種類や予防・改善に向けたエクササイズについてみていきましょう。

骨粗鬆症の種類

骨粗鬆症の種類は「原発性」「老人性」「続発性」の3つに分けられ。それぞれ性別や年齢により異なります。

原発性

原発性(閉経後骨粗鬆症)はスポンジ状に骨量が減少する最も多いタイプの骨粗鬆症です。これはエストロゲンというホルモンの欠乏がその主な原因であると考えられます。このエストロゲンというホルモンは女性ホルモンの一つで、閉経後、分泌量が減少します。

老人性

老人性骨粗鬆症は70歳以上で発症することが多く、このタイプの骨粗鬆症はビタミンDの欠乏によってよく起こります。ビタミンDが不足するとカルシウムの取り込みが不十分になり、副甲状腺ホルモンの分泌が増加し、さらには骨を吸収してしまいます。

老人性骨粗鬆症は健康寿命の低下をもたらす事も危惧されています。健康寿命や高齢の方におすすめのエイクサイズについて紹介している記事はこちらからどうぞ。

持続性

原発性は女性に起こりやすく、老人性は高齢者の起こりやすいという傾向がありましたが、この持続性骨粗鬆症は、どの年齢層でもみられ、しばしば慢性疾患や内分泌疾患、代謝障害、営養欠陥や吸収障害、アルコール中毒症あるいは特定の医薬品により生じます。

診断

骨粗鬆症は骨ミネラル濃度の減少を特徴とする代謝性疾患であり、結果的に骨が脆くなり骨折しやすくなります。世界保健機関(WHO)は脊柱または股関節の骨ミネラル濃度が、健康な若年女性の平均値を0、標準偏差を1とした場合に、標準偏差が2.5より大きい場合を骨粗鬆症と定義されます。

骨粗鬆症患者のためのエクササイズ

エクササイズを行ううえでの注意点

骨粗鬆症が判明している方で、医者の指導のもとビタミンDとカルシウムを摂取している方は、それが低血圧やめまい、脱力感や疲労を生じることがあります。そこで安全な環境を維持し、転倒などの事故を回避しなければいけません。

進行した骨粗鬆症では、低下した骨ミネラル濃度がさらに骨折のリスクを高めるので、エクササイズにより転倒した場合深刻な影響が出る可能性があります。さらに転倒の不安のある方は、エクササイズを行う前にバランステストを行い、どういった環境でエクササイズを行う必要があるか判断する必要もあります。

エクササイズプログラムの作成

多くのエビデンスから、骨密度をあげるために必要な要素は「衝撃」と「負荷」を与える事だと示唆されています(Martun James 2008)。筋肉や骨格への負荷は骨芽細胞を刺激し、骨の強化と再生を促進します。

骨粗鬆症の患者のためのエクササイズについての研究で、ウォーキングやランニングなどの基本的な運動を行っても、骨ミネラル濃度の増加を促進できないことが示唆されています。よって、骨への負荷を高めるために、より大きな筋力を発揮を必要とする高負荷の運動をする必要があります。

また、研究によると骨粗鬆症の患者は背中の下部の伸展筋群と、大腿四頭筋などの下肢の筋群の筋力が弱くなっている可能性があることも示唆されます(Chaconas EJ 2013)。骨折や他の障害のリスクを理解したうえで、「衝撃」と「負荷」、背中の下部の伸展筋群と、大腿四頭筋などの下肢の筋群の筋力アップを目的に作成する必要があります。

エクササイズメニュー

前でも書いたように、骨粗鬆症の患者に必要となる骨ミネラル濃度の増加のためには高負荷の運動をする必要があると述べました。そこで、効果的なトレーニングを紹介していきます。

全ての種目で10回を目標に、バランスを崩さないように横に壁や椅子・テーブルなど支えがある環境で行うようにしてください。

立ち上がり運動

まず椅子に座り、手を胸の前で合わせたら、ゆっくり身体を骨盤から倒していきます。この時、だらしなく座るのではなく、しっかり骨盤を立てて、背筋を真っ直ぐにしましょう。

身体を倒し、足の裏全体的に体重を感じたら立ち上がります。
慣れてきたら両手でペットボトルやダンベルを持って行っていましょう。

スネタッチ運動

腰幅でまっすぐ立ったら、そこから股関節を曲げていき、上体を倒していきます。上体を倒していきながら手を伸ばし反対側のスネをタッチします。この時、背中が丸まったりしないよう、横から見た時に体が真っ直ぐになるようにします。立ち上がったら反対の手で同じように行い、交互に繰り返します。

慣れてきたら両手でペットボトルやダンベルを持って行ってみましょう。

踏み台降運動

膝くらいの高さの踏み台を用意します。そしてその上に両足で乗り、片足を踏み台から浮かし片足立ちになります。

軸足の膝を素早く曲げることにより、浮かせている足をドンッ床につけます。
ドンッとついたら床についた足を台に戻し、逆足も同様に行います。

トレーニングを行う際の注意点

骨粗鬆患者や若年男性および、閉経前の女性は、高負荷のトレーニングにより、骨ミネラル濃度を高め、骨粗鬆の症状・リスクを低下させる可能性ことが期待できますが、骨ミネラル濃度の低下が激しく、かなり進行したタイプの骨粗鬆症患者は、高負荷のトレーニングは、障害や骨折のリスクがあるため、これらのエクササイズは慎重に行う必要があります。

進行した骨粗鬆症の方にむけたエクササイズ

かかと落とし運動

しっかり膝を伸ばして立ったら、つま先立ちになります。この時小指側に体重が逃げないように、母指球で床を踏むようにします。そこから、ストンと踵を落とします。

足踏み運動

まっすぐ立ったら片足をもも上げします。
上げた足を床にドンッと下ろすのと、入れ替えるように反対の足を素早く上げます。空き缶を踏み潰すようなイメージです。

もも上げ運動を左右交互に繰り返します。この時ぐらぐらしないように床についている方の足でバランスを取るようにします。

腕立て昇降運動

台の上に両手を置き、膝付きの腕立て伏せの姿勢になります。

そこから右手→左手の順で床に下ろします。この時、骨に対して衝撃を与えるため、床を手で押すような意識を持って床に手を下ろしてください。今度は左手→右手の順でスタートの姿勢に戻ります。
このエクササイズは上の種目に比べると、レベルが高いものになるので、慎重に行う必要があります。

まとめ

骨粗鬆症の原因となる、骨ミネラル濃度の低下は、主として年齢に関連のあるホルモンの変化、活動の低下、および病態や投薬が原因となることが多いです。

骨粗鬆はこの、骨ミネラルの低下を特徴としますが、骨ミネラル濃度の低下自体は無症状であるので、なかなか気づく事が難しいです。そこで、自身の症状レベルに合ったエクササイズを行い、骨ミネラル濃度の増加を高め、進行してしまうリスクを抑えていく事が大切です。

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