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バレエのレッスンでよく言われる「引き上げ」ってどういうこと?バレエを上達させるエクササイズとは!?(体幹部編)

お子様からご年配の方まで、男女問わず習い事の中で人気が高いクラシックバレエ。
レッスン中に「もっとアンドゥオール」、「内腿の意識を持って」、「引き上げ続けて」などの注意を先生から言われる事は多々あるかと思います。
ではそれを上手くできるようにするためには、どのような要素が必要なのでしょうか?
いろいろな考え方があるかと思いますが、クラシックバレエ経験者の私が思う上達に向けてすべきトレーニングをご紹介していこうと思います。
まず第一弾の今回は、体幹部編です。
バレエを始めた方が一番悩むであろう「引き上げ」を軸に解説していきます。
「引き上げ」と「身体を反らせる」という動作は違うのか、私の考えを元にお伝えしていきます。

クラシックバレエとは?

バレエとは西ヨーロッパで発生し広まった、歌詞・台詞を伴わない舞台舞踊。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)

バレエはルネサンス期のイタリアで生まれたバロ(バロックダンス)と呼ばれる舞踊が起源だと言われています。
そこから少しずつ変化を遂げながらフランスに渡りロマンティックバレエが生まれ、さらにロシアに渡って現代の私たちが知るようなクラシックバレエが生まれていきます。

クラシックバレエの前身であるロマンティックバレエは、現在でも上演される「ラ・シルフィード」や「ジゼル」などといった妖精などの幻想的な題材が多く、当時はテクニックより演劇的要素が多かったと言われています。
この頃からポアントやトゥシューズと呼ばれるバレエの特徴の一つである木製の靴を履き始めます。
一説によると、人間ではない妖精など神に近い非現実的存在を表現するべく、重力を感じさせない、空に近づくような状態を生み出すために誕生したと言われています。

その後、グランパドドゥなどの構成が生まれたり、片足だけ床に着いた状態で回転し続ける32回転フェッテなどのテクニックが高度になっていき、クラシックバレエという形が確立しました。

上体の引き上げ

バレエの上体の引き上げとはなぜ生まれたのでしょうか?
前述のポアント誕生の一説と同様、宙に浮いている人間ではないものを表現するためのテクニックとして生まれたものだと考えられます。

皆さんは引き上げ時の感覚は持っていますでしょうか?
バレエを始めたばかりの方が一番悩むポイントだと思うので、解説していきましょう。

まず引き上げの話をするには、人間の本来の正しい姿勢であるニュートラルポジションについて知っておかなければなりません。
ニュートラルポジションについてはこちらの記事を参考にしてみて下さい。

この後も多く出てくる言葉なので、共通認識としてお伝えすると、胸椎というのは背骨の胸の部分、腰椎は背骨の腰の部分です。
胸椎は背骨の中でも長い部分なので、胸椎の上の方を上部胸椎、下の方を下部胸椎と呼びます。

それでは引き上げの話に戻ります。
立位で足を1番ポジションでの引き上げているという状態の、体幹部の姿勢のみを言葉で言い表すと、ニュートラルポジションの腰部は保持したままでの軽度の上部胸椎伸展という状態が近いと私は思います。(各メソッドによっても異なりますが。)
実際にその姿勢を作ろうとすると、お腹の奥の方に力が入り、肩甲骨の間辺りにわずかな収縮感が得られると思います。

この姿勢はとても大事ですが、これだけでは身体の形を作っただけであって、引き上げている状態ではありません。
筋肉的に言うとほぼ等尺性収縮の状態で、関節が動く人形でその形を作っただけでキープの状態です。

引き上げの状態は本来グネグネと動いてしまう私たちの身体を、天井方向に引っ張るような力を発生させ、自分で等尺性収縮を遠心性収縮に限りなく近づけるようにしていく形です。(布をピンと張るような状態)

布をピーンと張る為には、引っ張る方向とは逆の部分を押さえておく、もしくは逆方向に引っ張るという力がないと、しっかり張る事が出来ません。
先生によっては「肩甲骨からが脚だと思って、地面を突き刺すように押す」というような指導をされる方もいらっしゃると思うのですが、まさに天井方向とは逆に引っ張るその力が必要になります。
これを2wayストレッチと言います。

先程の腰の部分はニュートラルでの軽度上部胸椎伸展の姿勢は変えないまま、骨盤から引き抜くくらいの気持ちで背骨のみを天井の方に引っ張り、肩甲骨や鎖骨から下(背骨以外)は地面に穴が開くくらい押し、身体を引っ張り合ってみましょう。

いかがでしょうか?
この感覚が引き上げという感覚だと思います。
この2wayストレッチにおいて注意しなければならない事は、人間の身体は布のようなペラペラな状態ではなく、筒状の物体であるという事です。
身体の前面側、後ろ面、側面それぞれの面のみの引っ張り合いではなく、360°すべての面で行われている、もしくは身体の中心で引っ張り合いが起きている状態を作る事が必要です。

もちろんポジションによっては、腰部ニュートラルでの軽度上部胸椎伸展で行う事が不可能なものもあります。(代表的な例で言うと、アラベスクなど。)
そして2wayストレッチではなく、3way、4wayとストレッチの方向が増える場合もあります。
しかし、感覚としてはこの1番ポジションでの引き上げがすべてに共通していると言えるでしょう。

以上の点から、この引き上げを習得するためには、腰部を安定させた状態での胸椎伸展と肩甲骨下制(後傾し過ぎない)が必要であると考えられます。また、少し引き上げとは話がそれてしまうかもしれませんが、2wayストレッチ時や他関節を動かした時の体幹部の安定性も必要になってくるのではないでしょうか。

引き上げを上手にするためのエクササイズ

前述の通り、引き上げを習得するために、胸椎を動かす動作感覚と肩甲骨を下制させる動作感覚を養うことが必要です。
そして2wayストレッチする感覚を持ちながら体幹部を安定させることができるようになると、上達に近づくかと思います。
胸椎伸展のエクササイズに関しては、一番伸展しきったポジションが引き上げのポジションという意味ではなく、引き上げ時に必要な軽度の胸椎伸展をしやすくするために行っていると考えてください。

ソラシックエクステンション(胸椎伸展)

うつ伏せに寝転がり、両手を首の横に辺りに置きます。

そのままみぞおちを床に押し付けるようにしながら、胸の部分だけを反らせて床から離します。

この時腰から反って大きく身体を起こしたり、腰やお尻に力が入らないように気を付けましょう。

この動きができたら座った状態でも行っていきます。
今度は腕を胸の前でクロスさせ、手首が重なっている部分の少し上の辺りを天井の方に見せるように胸だけを反らせていきます。

先程と違い身体の前面に床がないので、肋骨を前に押し出して反らないように気を付けましょう。

どちらも目線は動く方向を自然に見てもらって大丈夫です。

肩甲骨下制

肩甲骨というのは6方向への動きがあります。
下制というのは下に下がる動きです。


まずは座った状態で手を身体の横に垂らし、そのまま床方向に引っ張ります。
この時の肩甲骨が下がった状態が下制です。

肩甲骨を真下ではなく斜め前方向に下ろしてしまうと、腰も反りやすくなってしまうので気をつけましょう。

では続いて腕を上げた状態で肩甲骨を下制させてみましょう。
肩甲骨と上腕は動きの連動性が強いですが、別々の動きをすることが可能です。
今度は座った状態で片手を前ならえするように上げていきます。
腕の高さはできるだけ変えないまま、脇の下を床方向に落としていくように下げます。

今度は腕が前に出ている事もあり、肩甲骨が後ろに傾き腰が反りやすくなります。
腰の部分は反らないように安定させたまま、脇の下や肩甲骨を真下に下げる意識を持ちましょう。

このポジションでも上手にできるようになったら、次は立位で足が一番ポジション、腕はアンナバンのポジションで行なってみましょう。

肩甲骨と脚がつながっていると思って、肩甲骨を真下に下げながら足で地面をしっかり押しましょう。

プランク シングルハンド シングルレッグ(2wayストレッチを伴う体幹部の安定性)

今度は腕と脚のアシストを使いながら、2wayストレッチの感覚掴みつつ、体幹部をさせるエクササイズです。

まずは肩の下に手の平、頭から足首まで一直線のハイプランクの体勢を取っていきます。
足幅は肩幅少し広めにしておきます。

そのままどちらかの足を床から持ち上げて、頭から一番遠くになるように引っ張ります。
高くあげるのではなく、遠くに引っ張る方の意識を強く持ちます。
続いて、上げている足とは反対の腕を持ち上げて足とは逆方向に引っ張ります。

この時に身体が捻じれずに両肩両お尻の高さが同じになるようにし、腰が反ったり丸まったりしないように手の先から足先まで一直線を作るように引っ張り合いましょう。

対角線上の手と足を上げているので少し斜めの引力が生まれてしまいますが、この時に体幹部に感じる引っ張られ感と、重力負荷と手と足を床から上げて引っ張り合う事で生まれやすい腰の反りを安定させる体幹部の力の感覚はかなり引き上げに近いものだと言えます。

慣れてきたら、腕の引っ張りは使わずに、背骨を足を引っ張り合うことでその感覚を掴めたら、立位の状態も引き上げの感覚が分かりやすくなると思います。

ティーザー(3wayストレッチを伴う体幹部の安定性)

こちらは少し応用です。

立位での1番ポジションでの引き上げの感覚が分かるようになってきたら行ってみてください。
2wayストレッチが3wayストレッチになり、その方向が180°反対方向での引っ張り合いではなくなります。
両足ドゥバンで上げた状態での足先と、上体、そして坐骨での3wayストレッチを感じ、体幹部を安定させていきましょう。

まずは仰向けに寝ていきます。

そこから一気に脚と上体を持ち上げ、身体でV字を作ってキープします。
坐骨で地面押すようにしながら、足先と頭はV字の先端を伸ばすように遠くに引っ張り合います。

腰が反りすぎたり丸まりすぎたりしないように体幹部を安定させ、立位1番ポジションでの引き上げの時と同じような感覚が体幹部に持てていれば上手に出来ています。

元に戻る時は、ゆっくり背骨の下の方から床に下していくように仰向けのポジションに戻していきます。

腰椎伸展と胸椎伸展

腰椎伸展と胸椎伸展の違いは皆さんお分かりでしょうか。

前述の引き上げのところで、「腰椎部は安定させ上部胸椎を伸展させる」という姿勢が出てきました。
本来伸展と呼ばれる反る動作は、腰椎や下部胸椎が得意とされるもので、そこで動きを作った方が楽であり、人間の身体の作り的にも胸椎を伸展させると腰椎も伸展するというつながりが生まれやすくなっています。

しかし、腰部は脊柱以外の骨が周りになく、支えられるのは脊柱と周りの筋肉のみになります。
骨という強い組織で支えられる部分が少ないです。
また、脊柱は椎体と呼ばれる骨が連なって構成されているのですが、この椎体ひとつひとつの間は関節のようなものだと考えられています。
関節というのは動作を行うたびに摩耗していき老朽化していくものなのですが、動かす機会や動作の大きさが増加するほど、老朽化が早く進みます。
以上の2点を踏まえると、腰椎はそもそも負担が掛かりやすく老朽化しやすい部分ということになります。
よって、腰痛へのリスクを減らすためにも腰椎伸展をし過ぎないようにするのは、長くバレエを続けていただく上でもとても重要です。

そのために腰椎伸展だけでなく、胸椎も伸展させて身体を反るという動きを作る必要があります。

そして、身体を機能的動かすためには体幹部の安定が必要となります。
留まっている部分がないと身体はなかなか上手に動いてくれません。
そのため、バレエの高度なテクニックを要するパを行う上でも体幹部の安定性は必要です。
よって、できるだけ腰部は安定させたまま、上部胸椎を軽度伸展させた姿勢が引き上げの基本的なポジションなのかなと私は思います。

前項の引き上げの感覚を持っていただくと、腰椎のみの過度な伸展というのは防げると思いますが、ポジションによっては腰椎をかなり伸展させないと行うことができないものもあります。
その場合でも、引き上げの感覚を抜かないで行うと、インナーユニットの筋発揮が行われ、腰への負担が減ります。
引き上げはそういった意味でもとても重要なのです。

アラベスクでの違い

では実際、腰椎伸展が強いアラベスクと腰椎伸展は最小限に抑え胸椎を伸展させたアラベスクを見てみましょう。
バレエを離れて何年も経ちますので、私のアンドゥオールが甘い等のバレエテクニックの不出来についてはご了承ください。

まずは腰椎をかなり伸展させたアラベスクです。
腰の部分で強い弯曲が出てカーブが急な印象です。

続いて、引き上げの感覚を持ちながら3wayストレッチさせて行うアラベスクです。
脊柱全体で緩やかなカーブを描いています。

どちらの方が美しいかは個人の好みもあるので、なんとも言えません。(好みのバレエダンサーや踊り方、メソッドが人それぞれ異なるのと同様です。)
しかし、画像で見ても上の画像は腰への負担が強いように見えます。

アラベスクの場合、足を高く上げようとすると腰椎の伸展が強く出てきます。
その動作そのものが悪いというわけではありませんが、できるだけその腰への負担を減らす為にも、胸椎伸展と股関節伸展(第二弾のブログで書く予定です。)を最大まで行うことができ自分でコントロールできるようにすることと、前述の通り3wayストレッチを伴う引き上げの意識を抜かないようにすることが重要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
引き上げや体幹部についての理解は深まったでしょうか?
見た目だけのテクニックとしての習得するのではなく、難しい技の上達や身体の障害予防の為にも、そのメカニズムを理解して行うことが重要だと私は思います。
引き上げの感覚がわからないという方は、ご紹介したエクササイズをぜひ実践してみてください。
第二弾では股関節周りについて書いていこうと思っておりますので、楽しみにお待ちください。

LIBONA トレーニングジム&整体院

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