仕事が終わりのビール。この一杯の為に生きている。こういったフレーズがあるほど、アルコールを習慣化している人も多いと思います。
しかし、ビール腹という言葉があるように、アルコールと肥満には関係性がありそうなのは分かります。

糖質制限がブームの昨今、ダイエット中でも蒸留酒を飲む事で糖質を制限すれば大丈夫、そんな情報も飛び交っています。

ダイエット中や身体づくりにおいてのアルコールについて見ていきましょう。

アルコールについて

アルコールには3大栄養素や5大栄養素と言った栄養素がありませんが、1g7kcalと熱量は1g4kcalの炭水化物やたんぱく質よりも高く、栄養素が含まれていないため「エンプティカロリー」とも言われています。

飲んだアルコールは胃や小腸粘膜から吸収され、まず肝臓で酸化されたのちアセトアルデヒドとなり、アセトアルデヒドは更に酢酸に分解され、筋肉や心臓などの臓器により炭酸ガスと水に分解されます。

食品とは異なり、アルコールは消化を受ける事なく、吸収は速やかに行われ、それと共に分解も速やかに行われていきます。

アセトアルデヒド

お酒を飲んだ時の悪酔いや、飲んだ後に出る二日酔いの症状は、中間代謝物であるアセトアルデヒドによりもたらされます。

このアセトアルデヒドは人体にとって有害であり、アセトアルデヒドが体内を回ると脳細胞であるニュウロンに影響を与え酩酊状態となるだけでなく、発癌性もあり様々な臓器に影響を与えます。

ダイエットへの影響

1g7kcalで栄養素が含まれていないエンプティカロリーなので、ダイエットには影響がないように思えますが、実際のところはどうなのでしょうか。
様々な視点からアルコールのダイエットへの影響を見ていきましょう。

中性脂肪の増加

糖質・脂質を多く含む食べ物を食べなくても、アルコールを摂取するとその量に比例し、肝臓で合成される中性脂肪が増加します。

そして、アルコール摂取によって脂肪細胞からの脂肪酸放出を促進させますが、脂肪酸の代謝とアルコールの代謝が亢進し、分解されない脂肪酸を増加させてしまいます。

結果として中性脂肪の過剰な合成が引き起こされてしまい、エネルギーとして利用されない中性脂肪は肝臓や脂肪細胞に蓄えられてしまいます。

糖や脂質の代謝の抑制

肝臓では糖・たんぱく質・脂質などの栄養素やコレステロール、中性脂肪などの代謝が行われます。

先ほど述べたように、アルコールを摂取すると中性脂肪の増加が起こりますが、それだけでなく、アルコールの代謝が優先され、中性脂肪や糖などアルコールと共に食べたものの代謝が上手く行われなくなってしまいます。

お酒と一緒に食べたものは脂肪として蓄積されやすくなると言う事です。

筋肉の減少

2008年langらによるラットを用いた実験で、慢性的にアルコールを与えていたラットでは、インスリン様成長因子やmTOR活性の低下など筋肉の合成に影響を与え、大量にアルコールを与えたラットでは即座に筋肉の減少が見られました。

大量の飲酒による筋肉の減少はミオパチー(急性アルコール筋症)と呼ばれており、筋繊維の部分的な壊死が起こると言われています。

2次会、3次会と夜遅くまで飲み続けた翌日に筋肉痛のような症状になった経験ありませんか?それは急性アルコール筋症になっているかもしれません。

ホルモンへの影響

男性は男性ホルモンであるテストステロンが分泌され、その濃度は女性の10倍と言われる程分泌量には性差があります。

筋肉を付けるのに大きく関わっているテストステロンですが、急性的もしくは慢性的な飲酒により分泌濃度が低下してしまうと言われております。それだけでなく、アルコール依存の男性においてはテストステロンの低下により、胸などに女性化が起こる事も示唆されています。(Van Thiel 1981)

驚くことに女性においては男性とは異なり、男性ホルモンであるテストステロンの分泌量が増加したという発表があります。(Cigolini 1996)

飲酒によりホルモン分泌に影響を与える事がわかります。

アルコールの好影響

アルコールにより中性脂肪は高くなり、つまみとして食べたものは脂肪として蓄積されやすく、筋肉を分解し、ホルモンバランスにも悪影響を与えます。

様々な悪影響のあるアルコールですが、「酒は百薬の長」と言われるのには理由があるはずです。

「酒は百薬の長」と言われる元となった、イギリスの研究者マーモット氏らの研究をみてみましょう。

飲酒量と死亡率の相関関係をみると、適量の飲酒をしている人が最も死亡率が低く、次に飲まない人、定期量以上に飲む人は飲む量に比例して死亡率が上昇する。

Alcoholandcardiovasculardisease:thestatusoftheU shapedcurve

量飲む人の方が死亡率が最も低く、それ以降は飲む量に比例し死亡率が高くなる。飲酒量と死亡率をグラフにするとJの字を描くことからJカーブ効果と言われています。

驚くべき点は、まったくお酒を飲まない人よりも、適量のお酒を飲んでいる人の方が死亡率が低いという点です。

その後、対象者のアルコールに対する体質等考慮された研究においても、同じJの字を描くグラフとなり、適量のアルコールが死亡率を低下する事が定説となりました。

適切な飲酒とは

アルコールは脂肪への影響だけなく、筋肉やホルモン分泌にも影響を与え、どれもが悪影響である事が分かりました。しかし、適切な量の飲酒では死亡率を低下させる効果がある事も分かりました。

しかし、適切な量とは果たしてどれくらいの量を指しているのでしょうか。適切な飲酒をするために、どれくらいのアルコール量かを見てみましょう。

1日のアルコール摂取量

身体に影響を与えない程度の飲酒はどの程度なのか、日本人の体質を考慮するために、厚生労働省の「健康日本21」の中の「節度ある適切な飲酒」を見てみましょう。

「節度ある適度な飲酒」としては、1日平均純アルコールで約20g程度である 旨の知識を普及する。

健康日本21 アルコール

厚生労働省の「健康日本21」では、純アルコールで20g以下を推奨しています。しかしこの20g以下には人により異なり、条件がある事を知っておきましょう。

  • 女性は男性よりも少ない量が適当である
  • 少量の飲酒で顔面紅潮を来す等アルコール代謝能力の低い者では通常の代謝能を有する人よりも少ない量が適当である
  • 65歳以上の高齢者においては、より少量の飲酒が適当である
  • アルコール依存症者においては適切な支援のもとに完全断酒が必要である
  • 飲酒習慣のない人に対してこの量の飲酒を推奨するものではない

このような留意点があります。

実際の量

純アルコールとはアルコールの度数と量に算出する事ができます。
実際の量は下記の通りです。

  • アルコール5%のビール 500ml
  • アルコール7%のワイン グラス1.5杯
  • アルコール15%の日本酒 1合
  • アルコール47%のウイスキー ロック2杯

純アルコール20g以下であれば、悪影響は出ないとされています。

まとめ

アルコールには3大栄養素や5大栄養素と言った栄養素がありませんが、1g7kcalと熱量は炭水化物やたんぱく質よりも高く、栄養素が含まれていないため「エンプティカロリー」とも言われています。

アルコールを分解する際の中間代謝物であるアセトアルデヒドは身体にとって有害な物質で、太りやすい、中性脂肪の増加、筋肉量の低下、ホルモンバランスの乱れなど身体に対する影響は大きいです。

しかし、適量の飲酒により死亡率が低下するという報告もあり、一概に悪いとは言えない様です。

お酒と上手に付き合い純アルコール20gを守ることによって、身体にプラスに働く事でしょう。

ダイエットに関する炭水化物や脂質についてなど、他の記事はこちらからご覧ください。

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