今の子供達は速い動きが出来ない、足が上がらない、避ける動作が出来ないと指摘され、シューズやスリッパにより足底部の発達が行われず扁平足の割合が高いと言われています。

交通の発達により歩く事が少なくなり、自然の中で遊ぶ事で様々動作を習得する機会が減ってしまった事にあるでしょう。

このような昨今、子供の才能を伸ばすためにどのような運動をすればいいか見ていきましょう。

スキャモンの発達曲線

子供達の運動能力を伸ばすために、非常に重要なのがスキャモンの発達曲線です。

このスキャモンの発達曲線では、子供が成長していくのに「リンパ型」「神経型」「一般型」「生殖型」と分かれて成長していくと考えれています。

縦軸が発達量、横軸が年齢で表されており、どの年齢でどの型が成長していかを表しています。

「神経型」は脳・脊髄・感覚器の成長を表す線グラフで、神経型の発達は6歳頃には約90%が発達しているのが分かると思います。

動作を習得する年齢とは

幼少期の運動発達や動作習得を考える場合、発達の過程をいくつかの段階に分けて捉える事が多いです。

JFA(日本サッカー連盟)キッズプログラムでは6歳以下、10歳以下と年齢区分がされています。

団体においてそれぞれの年齢区分に多少の違いはあるものの、未熟な段階において初歩的な動作習得を経て、多様な動作習得を身につける時期と区分されています。

プレゴールデンエイジ

3~8歳をプレゴールデンエイジと言い、この時期に急速に神経の回路が発達し、基本的な動きを習得していく時期です。

「幼少期の体育」Gallahue(2006)では、4~5歳を運動発達段階と位置づけ、基本的運動を習得し次の段階へ繋がる初歩的段階としています。

この基本的運動を獲得するためには、動きの多様化が必要です。Meine(1980)
運動を豊富に経験した子供と運動経験の少なかった子供を比較すると、豊富に経験をした子供の方が動きの豊かさが高く、運動経験の少なかった子供においては基礎的な動きに欠陥が現れたとされています。

運動を豊富に経験した子供においても、1つのスポーツに取り組んだ子供よりも、複数のスポーツに取り組んだ子供の方が、多様な動作を習得し、動作の未発達が少ないという報告もあります。

ゴールデンエイジ

9~12歳をゴールデンエイジと言い、複雑な動作やスポーツにおける切り返しの動作など、動作が即時に脳の神経に組み込まれ、習得されていく時期です。
スポーツ技術の習得において最も重要な時期と言われています。

プレゴールデンエイジで動作の基礎を作り、ゴールデンエイジにおいて競技スキルを向上させる時期と言えます。

基本的動作

プレゴールデンエイジのうちで動きの多様化を経験させるために、様々な基本的な動作を行う必要があります。

幼児の自主性を尊重しつつ、保護者が必要な動作を多様な遊びとして経験させ、動作習得を容易にし、心身の発育発達を促進するよう楽しく遊ばせる工夫が大切です。

遊びの重要性

ゴールデンエイジに向けて、プレゴールデンエイジで動作習得を行うには、子供の興味のある自発的な遊びで身体動作を行う事が重要です。

2009年田中氏の研究において、運動能力と遊びの相関性について触れらています。

運動能力と自由遊びの中の基本的運動動作の間において相関が見られる項目が多く、運動能力と基本的運動動作には関連があることが示唆された。特に観察期間中において、基本的運動動作数の各項目と相関が見られた25m走、ケンケン、開眼バランス、立ち幅跳びなどの運動能力は、それらの能力が遊びの 中に頻繁に含まれていた。

幼児の運動能力と基本的運動動作に関する研究

遊びの中で多くの基本動作を取り入れ、プレゴールデンエイジのうちに経験されておく事が、その後の多様な動作への適応に結びついていきます。

まとめ

子供の才能を伸ばすためには、発達区分に合わせ、基本的な動作を経験させ、スポーツ動作を習得させていく事が大切です。

幼少期において遊びの中で基本的動作を取り入れベースを作る事で、ゴールデンエイジにおいて更なる専門的な動作への足がかりとなるでしょう。

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