厚みにある背中を作るためには上背部と下背部でトレーニングを行う必要があります。
下背部のトレーニングについてはこちらの記事をご覧ください。

上背部の厚さを作るのに大切なのが僧帽筋です。この僧帽筋の構造からトレーニングの方法や注意点を読み解いていきましょう。

Henry Gray (1825–1861).  Anatomy of the Human Body.  1918.

僧帽筋の構造

僧帽筋は上部繊維・中部繊維・下部繊維と繊維が分かれており、それぞれが持つ働きが異なります。
まずは、筋肉の付いている場所から見ていきましょう。

僧帽筋上部

Henry Gray (1825–1861).  Anatomy of the Human Body.  1918.

赤く塗りつぶし部分が僧帽筋上部繊維で、斜め下方向に走行しているのが分かります。

起始部は下記の通り

  • 後頭骨上項線
  • 外後頭隆起
  • 項靭帯を介して頸椎の棘突起

停止部は下記の通り

  • 鎖骨外側1/3の後縁

後頭部や頸椎から伸びた筋肉が、鎖骨の外側に伸びています。

Henry Gray (1825–1861).  Anatomy of the Human Body.  1918.

こちらが鎖骨の画像で、赤く塗りつぶした部分が僧帽筋上部の停止部です。
鎖骨の上部を身体の中心部からなぞるように触っていくと、肩に近い部分に筋肉の束が感じられます。そこが僧帽筋上部の停止部です。

僧帽筋中部

Henry Gray (1825–1861).  Anatomy of the Human Body.  1918.

赤く塗りつぶした部分が僧帽筋中部で、横方向に走行しているのが分かります。

起始部は下記の通りです。

  • 頸椎7ないし6番から胸椎3番の棘突起
  • 頸椎7ないし6番から胸椎3番の棘上靭帯

停止部は下記の通りです。

  • 肩峰の内側縁
  • 肩甲棘の上内側縁

主に胸椎から伸びた筋肉が肩甲骨に付着しているのが分かります。

Henry Gray (1825–1861).  Anatomy of the Human Body.  1918.

赤く塗りつぶした部分が肩甲棘です。
肩甲骨を触れると横に伸びる骨が触れると思います。この骨が肩甲棘です。

僧帽筋下部

Henry Gray (1825–1861).  Anatomy of the Human Body.  1918.

赤く塗りつぶした部分が僧帽筋下部で、斜め上向に走行しているのが分かります。

起始部は下記の通りです。

  • 胸椎4〜12番の棘突起
  • 胸椎4〜12番の棘上靭帯

停止部は下記の通りです。

  • 肩甲棘の内側縁

僧帽筋の構造まとめ

僧帽筋は上部・中部・下部に分かれ後頭部から頸椎・胸椎と、腰椎を除く背骨全体に付着しています。
背骨の動きの影響を受けやすいので、姿勢によって動作不良になりやすい部位と言えます。

僧帽筋の動き

僧帽筋は上部・中部・下部と分かれている事を説明しました。
それぞれの僧帽筋の動きを見ていきましょう。

僧帽筋上部

  • 肩甲骨の挙上
  • 肩甲骨の上方回旋
  • 肩甲骨の内転
  • 頭部・頚部の伸展
  • 頭部・頚部の側屈
  • 頭部・頚部の反対側回旋

僧帽筋中部

  • 肩甲骨の内転
  • 肩甲骨の挙上

僧帽筋下部

  • 肩甲骨の下制
  • 肩甲骨の上方回旋

頭部・頸椎・胸椎から鎖骨・肩甲骨に付着しているので、首の動きや肩甲骨の動きに関与するのが分かります。

中でも僧帽筋の上部は三角筋と共同して働き、広背筋とは拮抗する関係にあります。僧帽筋が収縮すると広背筋は弛緩し、広背筋が収縮すると僧帽筋は弛緩します。

僧帽筋のトレーニング

筋肉は形状により特徴が異なります。
代表的な筋肉の形状として羽状筋や平行筋があり、特徴に合わせたトレーニング方法を選択しましょう。

僧帽筋は平行筋で可動域を大きく作る事が大切なので、トレーニング時は肩甲骨の動きを大きくしましょう。

僧帽筋上部

肩をすくませて肩甲骨を挙上させる事で僧帽筋上部は収縮します。
代表的なトレーニングがシュラッグです。

僧帽筋の上部は頭部・頚部の動きにも関与するため、肩甲骨の動きに合わせて頭部も動かすとより収縮・伸張します。

ポイントは、収縮時に頸椎の方向に動くよう肩甲骨は内転させるように挙上し、その時頸椎の伸展の伴うように顔は上に向けます。

伸張させる時は肩甲骨は少し離すようにし、顎を引くようにします。

僧帽筋中部

肩甲骨を寄せるローイングの動作で鍛える事ができます。
状態を直立させて引く事で肩甲骨の動きを出しやすいので、シーテッドローがおすすめです。

上位胸椎に付着しているため、脇を広げ肩甲棘同士を近づけるようにローイングする事で中部を収縮させられます。

また、胸の反りを強く出して、手幅を狭くし脇をしめてローイングすると僧帽筋下部のトレーニングとなります。

僧帽筋下部

肩甲骨を寄せるローイングの動作で鍛える事ができます。
斜め下方向から引く事で僧帽筋下部はストレッチされやすいのでベントオーバーがおすすめです。

肩甲骨を下にさげる意識(下制)を持ち、脇を締めてローイングする事で下部を収縮させられます。肩がすくまないよう下制の意識が抜けないよう注意しましょう。

また、上方回旋で働くのでラットプルダウンなど上から引く動作でも、肩を落とす意識を持ちながら行う事で刺激されます。

支配神経

僧帽筋を動かす神経は下記の通りです。

  • 副神経
  • 頚神経叢の筋枝

副神経は胸鎖乳突筋と僧帽筋を動かす神経ですので、共に同じ神経の支配下にあります。
胸鎖乳突筋は顎を引く動作や首を回す動作で働くので、胸鎖乳突筋と僧帽筋の収縮を合わせて行うと意識がしやすくなります。

まとめ

僧帽筋は上部線維・中部線維・下部線維に分かれ、それぞれの作用が異なる為、トレーニング方法や注意点も異なってきます。
上背部の厚さを作るためには、僧帽筋を満遍なく鍛える事が大切です。
それぞれの構造を理解し、トレーニングに活かしていきましょう。

他の筋肉の構造やトレーニング方法が知りたい方は、トレーナーが教えるトレーニングシリーズをどうぞ。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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