毎日、立ち、歩き、走り、体を支える「足」

足は地面から最初にある部位で、体重を支え動きをスムーズにするとても重要な部位です。しかし、普段の生活では意識されることが少なく、「ただの足」として見過ごされがち。

実は「美しさや健康は足元からはじまる」ってことを知って欲しいです!

足が持つ主な機能3つ「支える」「守る」「進む」

まずはこの3つからお伝えしていきます。足の大切さに気づき足元から健康を作っていこうと思ってもらえると思います。

1、足元から体を支える姿勢の土台

足の最も基本的な役割は、体を安定して支えることなんです。

私たちは無意識のうちに片足で立ったり、階段を上ったり、歩いたりしていますが、それぞれの場面で足は体のバランスをとり、姿勢を保持する役割を担っています。

その中でも大切なのが、「足底腱膜」や「内在筋」など複数の筋肉や靭帯です。これらが複雑に絡み合ってアーチを作っており、柔軟かつしっかりと身体を支えることができるのです。

また、足には「固有受容器」という感覚センサーが多く存在しており、地面の凹凸や傾き、体重のかかり方を敏感にに感知して、脳へ情報を送っています。

足のアーチやセンサーはバランスや姿勢にも深く関わっているんです。

扁平足など足に問題があると、このアーチやセンサーがうまく働かず、姿勢の乱れや膝痛腰痛などの不調にもつながりやすです。

2、不調から体を守る隠れた守護神

実は、歩くだけでも地面からは強い反発力が足に伝わっているんです。もしこの反発力をそのまま骨や関節が受け止めていたら、膝や腰に過度な負担がかかってしまい、ケガや慢性的な痛みの原因になります。

なので、足にはこの衝撃を吸収する仕組みが備わっています。

足のアーチやかかとなどの脂肪組織、人体や筋肉などの組織がクッションとしてうまく働くことで、衝撃を緩和し、全身へ伝わる負担を分散してくれています。

とくに重要なのが「距骨下関節」や「中足骨」という関節や骨がバネのように機能し、地面からの衝撃をやわらげています。でも、この関節はヒール履いていると足が持つ衝撃吸収機能がうまく働かず、膝や腰へのストレスが増加してしまいます。

ヒールを履いた後、膝や腰に違和感がでるのはこのためなんです。

3、足は歩く走るのエンジン

足は前に進むためのエンジンのような役割も果たしています。歩くときや走るとき、足の指を使って地面を押し出し、前に進む推進力を得ています。

このとき重要になるのが、つま先からの「蹴り出し」の動きです。

とくに「母趾(親指)」の使い方は大きなポイントで、母趾がしっかりと地面をとらえることで、推進力とバランスの両方を高めることができます。

また、歩行中には「ヒールロッカー」「アンクルロッカー」「フォアフットロッカー」と呼ばれる3つの足の機能が働いており、それによりかかとからつま先へと流れるような体重移動をおこなっているんです。

足部の機能が低下するとどうなる?

足のこれらの機能がうまく働かなくなると、体全体の動作に悪影響を及ぼしてまいます。

たとえば、アーチが崩れて扁平足になると、衝撃吸収力が低下して膝や腰に痛みが出やすくなったり、歩き方が崩れたりします。

また、足部の筋力や柔軟性の低下は、転倒リスクの増加や疲労の蓄積につながることもあります。足の機能が低下することで、全身のバランスが崩れ、肩こりや腰痛といった症状を引き起こすケースも少なくありません。

だからこそ、足の機能を改善することは、健康な体づくりの第一歩なのです!

足元から健康をつくるために必要な3つのこと

足元から健康をつくるうえで、絶対に外せないのが「アーチ」です。
アーチとは、足の裏にある弓なりの構造のことで、体重を支えるだけでなく、衝撃を和らげたり、前に進むための力を生み出したりと、足部の機能の中心となる存在です。

アーチを作るのに大切なのが、足指や足裏、そして足首周りにある「筋肉」をいかに支えるかです。そして、足のアーチを作るためには、足裏や足指がガチガチに硬いとそもそも動かすことができません。筋肉を使えるようになるためには「柔軟性」も大切になってきます。

アーチがどういった物なのか、そしてアーチを維持する筋肉や柔軟性の高め方をご紹介!

1、アーチを知ると足が変わる!

みなさん知っていましたか?足には大きく分けて3つのアーチがあるんです。

  • 内側縦アーチ
    土踏まずの部分にあたる最も有名なアーチです。かかとから親指のつけ根にかけての部位にあり、主に衝撃吸収の役割を担っています。扁平足と呼ばれるのは、この内側縦アーチが低下した状態です。
  • 外側縦アーチ
    小指側に位置するアーチで、かかとから小指の付け根までを結ぶライン。内側アーチに比べると低い構造ですが、体重の安定を支える「土台」としてとても重要です。
  • 横アーチ
    足の指の付け根を結ぶアーチで、足を横から見たときに形成されています。横アーチが崩れると、開張足外に広がった状態になり、外反母趾や中足骨痛の原因となります。

3つのアーチがバランスよく保たれていることが、足の3つの機能を発揮するために重要です!

アーチの最も大きな特徴は「バネのようにたわむ」ことです。歩行や走行の際に、足裏にかかる体重や地面からの衝撃を吸収し、次の一歩へとスムーズにつなげてくれます。

特に内側縦アーチは、着地の衝撃をやわらげるクッションのような役割を果たし、横アーチは前足部の横方向への広がりを抑えて、踏ん張りや蹴り出しをサポートします。

アーチが崩れてしまう原因はこれ!

では、なぜこのアーチが崩れてしまうのでしょうか?
主な原因は以下のとおりです:

  • 長時間の立ち仕事や歩行
  • 靴が合わない(サイズ・硬さ)
  • 加齢による筋力・靭帯の弱化
  • 座りすぎや運動不足による足裏刺激の低下
  • 怪我や捻挫による崩れ

「歩かない」「座りっぱなし」の生活スタイルが多いため、足底の筋肉やセンサーが使われにくくなっていることが多く、それがアーチの低下を招いていると考えられます。

2、足のアーチを取り戻すのに大切なこと

アーチを保つために重要なのは、足の筋肉を「意識して使う」ことです。

  • タオルギャザー(タオルを足の指で手繰り寄せる運動)
  • 足指じゃんけん
  • バランスパッドの上に立つ感覚トレーニング
  • 足裏のゴルフボールマッサージ
  • インソールやアーチサポート靴の活用

これらで鍛えられる筋肉は「内在筋」と「外在筋」という2つの筋肉群です。これらの筋肉は、足を支えるとともに、歩行やバランス、アーチの維持に大きな役割を果たしています。

内在筋と外在筋ってなに?

  • 内在筋
    足の中(足部)だけにある筋肉のことで、主に足指の細かい動きや、足裏の感覚調整、アーチの保持などに関与します。足のインナーマッスルのような存在です。
  • 外在筋
    主にふくらはぎやすねから始まり、足や足指に向かって伸びてくる筋肉のことで、大きな動きやパワーを生み出す働きをします。たとえば、つま先を反らす、足首を曲げる、足を内外に動かすなどの動きに関わっています。

次のリスト3つ以上当てはまる方は足のトレーニングをやって欲しいです!

  • 歩いているとすぐに足が疲れる
  • 指が地面につかない
  • 片足立ちでグラグラする
  • 靴の外側だけがすり減る
  • 扁平足や外反母趾
  • つま先立ちが不安定
  • 地面を指で掴む感覚がない

ほとんど当てはまる!という方は筋力不足だけでなく「正しく動かせない」「感覚が低下している」といったことがほとんどです。

3、まずは足のリセットからはじめよう

内在筋や外在筋を使えるようになってアーチを取り戻すには、いきなり鍛えるのではないんです。

まずは足のリセットから始めるのがポイントです!

  1. 足裏をほぐす(ゴルフボールなど)
  2. 足指1本ずつをぐるぐる回す
  3. 足指を深く曲げたり反ったりする
  4. 足指でグーチョキパーをする
  5. 親指付け根・小指の付け根・かかとの3点で床を踏む
  6. ふくらはぎやスネをほぐす

扁平足改善のエクササイズを動画で見て、真似してやろうと思ってもうまくいかないのがほとんどです。いままで動かさなかった足指や足底は、動かそうと思っても思うように動かないほど神経がつながらなくなっています。

そこで大切なのが「刺激」を与えて神経を戻すこと。

リセットさせることからスタートすることで、徐々に足指も動かせるようになってきます。

リセットしたら挑戦!アーチを作る効果的なエクササイズ

  • 足指でグーチョキーパーができる
  • 指先が丸まらずに床を踏める
  • ゴルフボールでほぐしても激痛ではない

この3つがクリアできるようになったらエクササイズに挑戦してみてください!

クリアできていない場合は、足のリセットを毎日繰り返していくことがおすすめです。

● エクササイズ①:チューブを使った後脛骨筋トレーニング

  • やり方
    チューブを足の前側に引っかけ、足首を底屈・内反(下げて内側に曲げる)させる動きを繰り返します。動作はゆっくりと、コントロールすることが重要です。
  • ポイント
    • 動きの中で「土踏まずが持ち上がる感覚」を感じる
    • 膝が動かないよう固定して行う
    • 15回×2セットを目安に

● エクササイズ②:立位での後脛骨筋トレーニング

  • やり方
    立った状態で、つま先と踵は床につけたまま、足の内側(土踏まず)を軽く浮かせてアーチを作ります。鏡でチェックしながら、左右差を確認するのも効果的です。
  • ポイント
    • 指を使わずアーチでコントロールする
    • 重心が外側に逃げないよう注意
    • 左右で3秒キープ × 10回を目安に

● エクササイズ③:ショートフットエクササイズ

  • やり方
    足の指を浮かせず、土踏まずの部分だけを「グッ」と引き上げるように意識します。かかとと母趾球を近づけるイメージで、指を曲げずにアーチを引き上げましょう。
  • ポイント
    • 足指はリラックスさせておく
    • 力みすぎず、内在筋だけでアーチを引き上げる意識
    • 5秒キープ × 10回を目安に行う

まとめ|足元から健康をつくるために大切なこと

足は、毎日立ち、歩き、走り、体を支え続ける重要な存在です。
しかし、普段はあまり意識されず、不調や姿勢の乱れが起きてから初めて注目されがちです。

足には「支える」「守る」「進む」という3つの大きな機能があり、健康な体づくりのために欠かせない土台となっています。

このアーチを支えるために必要なのが、「内在筋」と「外在筋」という2つの筋肉群。
それらをしっかり使えるようにするためには、いきなり鍛えるのではなく、まずリセットから始めることが大切です。

以下のようなサインがある方は、足部の機能改善に取り組む良いタイミングです。

  • 歩くとすぐ足が疲れる
  • 指が地面につかない
  • 靴の外側ばかりすり減る
  • 片足立ちでふらつく
  • 扁平足や外反母趾が気になる

これらに心当たりがある方は、まずは足指を動かし、足裏を刺激し、アーチを支える感覚を取り戻すことから始めましょう。

足元が変わると、体の使い方が変わります。
体の使い方が変わると、日々の不調や姿勢も変わります。

健康は足元から。
1日5分、足に向き合う時間をつくることが、快適なカラダづくりの第一歩です。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。

TOP