「腰が痛い」「肩が痛い」このように痛みがあると、その痛みの部位を治そうと考えますよね?
でも、実は痛みが出ている部位とは別の部位に、痛みの原因がある場合が多いんです。

姿勢や動作のクセ、過去の怪我などが影響して、負担が集中してしまうことが多いんです。

痛みの部位とは別の部位に原因があることは「運動連鎖(キネティックチェーン)」を知ることが大切なんです。

扁平足だと膝が痛くなるって聞いたことあります!

その通り!ではどのように扁平足が他の部位に影響を与えるのかをみてみましょう!

扁平足が引き起こす他の部位への痛みの仕組み

扁平足になると足部の傾きが生じます。
足は立ったときに地面に接する面なので、そこにズレが生じてしまうと全身に影響を与えてしまうんです。

図解姿勢検査法 著者:新関真人

右足の扁平足によって足が内側に傾き、それにより足が内側へ回旋が起きます。そのバランスを取ろうと骨盤と背骨が捻れ、肩の高さの違いも出てきてしまう。

このように扁平足によって生じるアンバランスを、体全体が連鎖してバランスを保とうするのが運動連鎖です。

右足の扁平足によって様々な部位に負担がかかるので、痛みが出てしまう部位も様々です。

  • 右足の親指
  • 右膝の内側
  • 右股関節
  • 右腰
  • 左肩の凝り
  • 左首の張り

こういった症状は右足の扁平足から来ている可能性もあるんです!

扁平足は膝や骨盤だけでなく背骨まで影響するんですね!

そうです!O脚やX脚だけでなく、片側の肩こりも扁平足にあるかもしれません。

その腰痛どこから来ているの?

先ほどの運動連鎖を考えると腰は結果として痛みが出ている部分で、原因は別の部位にありました。では、扁平足や股関節など「下半身が原因による腰痛」と「腰に原因がある腰痛」との違いをみていきましょう。

① 下半身に原因がある場合

  • 扁平足や外反拇趾、ハイアーチなど足部に変形や不調がある
  • 股関節が内また・がに股などどちらかに偏っている
  • 腰が反りすぎ・丸まりすぎ、腰椎の角度に影響を与えている

こういった状態では、腰は過剰なストレスを受ける部位です。

このタイプの腰痛の多くは、にぶい痛みや張り感として現れやすいです。
原因が特定しにくい非特異性腰痛と呼ばれ、腰痛全体の約8割と言われています。

②腰そのものに原因がある場合

  • 脊柱分離症やすべり症など、明確な骨のズレや障害
  • 椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症による神経症状
  • 圧迫骨折や骨粗鬆症など、骨そのものの構造的問題

強い痛みや痺れの症状が現れやすいです。
レントゲンやMRIなどの画像検査で原因が特定できる腰痛です。

痛みの連鎖は筋膜が関係している

筋膜とは筋肉を包む薄い膜です。筋肉はグループごとに筋膜によって包まれており、ウェットスーツのように体全体に張り巡らされています。

筋肉は個々に分かれていますが、この筋膜でグループごとに包まれているので、ひとつの筋肉が動くと関連する筋肉や関節や組織までに影響があるのです!

筋膜の硬さが不調の原因にも

筋膜には多くの神経があるため、ローラーのような外側から圧力やストレッチのような張力の変化を脳へと伝えています。つまり、筋膜はだた筋肉を包んでいるだけでなく、感覚を脳へ伝える組織でもあります。
そのため、筋膜が癒着してしまうと周囲の筋がうまく働けず、結果として動きのエラーや代償運動が発生します。
筋肉そのものだけでなく周囲の筋膜の状態も柔らかく保つ必要があります。

筋膜の癒着をとったり、柔らかくする方法はありますか?

筋膜ローラーやボールなどを使って、体をほぐすといいいですよ。
やり方はこのブログやYoutubeを参考にしてみてくださいね。

痛みの原因は全体を見ることが大切

痛みがある部位や弱い部位だけを強化するのではなく、なぜその筋や関節に過度に負担ががかかっているのか「動作全体」を見ることが重要です。
例えば、スクワットで膝が内側に入る(ニーイン)場合、筋肉の強さだけでなく、扁平足ではないかチェックしたり、先ほどご紹介した筋膜リリースで硬い部分をほぐすことも効果的です。

私の場合、右足が扁平足だから右膝が内側に入りやすくなるということですね!

そうですね。それによって右膝を痛めやすくなったり、股関節周りが弱くなりやすい、という可能性もあります。

動きの癖を知る

不調を見つけるときに「どこが悪いのか」だけに注目しがちですが、それだけでは根本的な改善には繋がりにくい場合があります。
運動連鎖(キネティックチェーン)の関係で、ひとつの部位が整うとその影響が他の部位にも連動して全体のバランスが改善していくことがあります。
先ほどのように、偏平足を改善したことで足元の安定感が増し、重心が整い、骨盤の位置が安定し、その結果、肩の高さの左右差までもが改善されたというのが良い例です。

歩く・走るなどの基本的な動きやトレーニングの種目で動きの癖を知ることができます。
自分の姿勢や動きの癖を知ることが大切です。

でも、それって自分ではわからないかも・・・。

そのために、僕たちトレーナーがいます。
なので、トレーニングでの不調はもちろん、日頃感じた体の違和感や気づきをぜひ相談してください!トレーニングは、マッチョになりたい人や痩せたい人だけが行うものではないんです!

自分でできる扁平足改善プログラム

扁平足を改善するには、
「硬さを改善する → 動かせるようにする」という順番を意識することが大切です。
右足の偏平足が原因で腰に痛みが出ている場合、次のような流れでアプローチしていきます。

①足裏ほぐし:足のアーチを支える筋肉を使えるエクササイズ、足裏のほぐし、リリース
②股関節や骨盤の調整:クラムシェルやバンドウォークなどで、左右差を少なくする
③体幹(お腹周り)と下半身を連動:片脚スクワット・ランジで上半身を捻るなど、日常生活に近い動き

最初に気になる部位をやりたくなるけど、まずは足裏の安定感が大切なんですね!

土台から順に整えていくことで、正しい動きが身につき全体のバランスが良くなっていきますよ。結果、痛みが軽減したり左右差が整っていきます!

まとめ

今回は、痛みの原因についてお話ししました。
体の繋がりをしっかり観察できるようになると“本当の原因”に気付けるようになります。
痛みがある部位を強化したりほぐしたりしがちですが、体全体のバランスや動き方をしっかり見ることが、結果的に根本的な解決に繋がります。
そのために、運動連鎖の考え方や筋膜ローラー、トレーニングの順番などが鍵になります。
「どこが悪いか」だけではなく、「なぜそうなったのか?」
動く時の体の癖を知って、痛みのない効率的な体づくりしていきましょう!

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