ビタミンは必須栄養素の一つであり、欠乏すると古典的な病気になると言われています。例えば、ビタミンB1欠乏によって発病する脚気は、かつて日本の国民病といれていました。また、ビタミンDが欠乏すると、クル病や骨軟化症が起きます。しかしこれらの欠乏症は、現在の日本ではおおむね克服されたと考えられているため、健康増進におけるビタミンの役割が軽視されるようになっています。しかし軽度の不足でも、様々な疾患リスクが増加することは明らかです。そこで今回は、ビタミンD不足に関する様々な健康被害とその予防について書いていきたいと思います。

ビタミンDの役割

骨の形成

ビタミンDの主な役割が、骨の形成をする事です。骨の形成というとイメージされる栄養素はカルシウムが代表的だと思います。骨はまずコラーゲンを中心としたたんぱく質の枠組みが作られ、その上にカルシウムが沈着する事で作られます。これを石灰化といいます。ビタミンDの最も基本的な役割は、カルシウムとリン(どちらも骨形成に必要なミネラル)の吸収促進であり、ビタミンD欠乏によりカルシウム・リンの吸収が阻害されると、石灰化障害であるクル病や骨軟化症が起こります。

骨の役割

骨は二つの重要な役割を果たしています。一つはもちろん、硬い組織として身体の支持組織の働きがありますが、もう一つは、血中のカルシウム濃度を維持するためのカルシウムの貯蔵庫としての役割です。血中カルシウム濃度は厳密に維持されなければなりません。軽度のビタミンD不足であっても、カルシウムバランスが崩れてしまい、血中カルシウム濃度維持のため、骨から直接カルシウムを分解するので、骨粗鬆・骨折のリスクが高まります。

ビタミンDの特徴

ビタミンDには、他のビタミンにはない重要な特徴があります。まず本来ビタミンは体内で生成できないため、食品から直接摂必要があります。しかし、ビタミンDは、日光を浴びる事で紫外線の作用によりかなりの量が生成されるというとてもユニークな特徴があります。

近年多数の報告により、ビタミンD欠乏・不足者の割合が高いことが報告され注目されいる。血中の濃度の低さから、ビタミンD欠乏・不足者は81.3%にも達しています。またビタミンD不足者の割合は男女ともいずれの年代でも高く、男性の70%、女性の90%近くに達し、ビタミンD不足による健康への影響が懸念されています。特に女性で欠乏・不足者が多いことは、どの研究結果でも共通しています。

ビタミンDの必要量

基準となる摂取量は

摂取基準において、ビタミンDに対しては目安量が定められており、2015年版では5.5ug/日とされています。この量を得るのに必要な日照時間を発表しており、それによると12月の札幌では、正午こそ76分ですが、9時の日照量であれば497分、15時では2741分という、とても達成するには厳しい時間でした。すなわち冬の札幌においては、正午前後のごく短い時間帯以外、日照によるビタミンD産生は期待できないことが示唆されています。

しかし、目安量は集団のほとんどが不足しない量なので、冬の札幌でも5ug/日程度のビタミンDは産生されるものとして10ugが必要なビタミンD摂取量とし、摂取の現状を踏まえると達成の現実的な8.5ug/日が成人に対する目安量とされました。ただしこの値が絶対不変の数字というわけではなく、夏の沖縄であれば必要量はより低いと予想されますし、また外出機会の乏しい高齢者などでは、より多くのビタミンD摂取が必要と考えられます。

ビタミンDの健康増進・疾患予防効果

近年、骨・筋肉以外の臓器においてもビタミンDの作用が報告され、疾患との関連も示されています。

がんとビタミンD

ビタミンDとがんの関係は古くから疫学的に示唆されていますが、最近、ビタミンDががんに関係を示す要因として、多くのがん細胞においてビタミンD受容体が発現しており、ビタミンDによるがん細胞の増殖抑制・分化誘導作用の関与が示されています。

また、2~7年の間ビタミンDを投与すると、がんの罹患率については有意な効果は認められなかったものの、全がん死亡率については12%のリスクの低下がみらたとされており、がん死亡リスクに対するビタミンDの有効性は他の報告でも示されています。

ビタミンD充足のために

ビタミンDが多く含まれる食品

ビタミンDは、植物性商品に含まれるビタミンD₂と動物性食品からのビタミンD₃からなる。ビタミンD₂は主にキノコ類に含まれていて、ビタミンD₃は脂肪を多く含んでいる魚に含まれています。魚をあまり食べることのない欧米では牛乳にビタミンDが添加されている国もあります。

ビタミンDを充足させる方法

ビタミンDを充足させるには、皮膚で十分量のビタミンDを産生するか、食事から十分量のビタミンDを摂取するという二つの方法があると書きましたが、ビタミンDを豊富に含む食品は魚など非常に限られており、食事だけから十分量のビタミンDを摂取するのは容易ではありません。

皮膚における産生も、高齢者では皮膚におけるビタミンD産生脳が低下しています。また緯度の高い地域においては、冬季には皮膚でのビタミンD産生はほとんど期待できません。したがってビタミンDは非常に欠乏/不足が起こりやすい栄養素なので、日照による産生や普段の食事から摂取する量で不足が懸念される場合は、オーガニックのサプリメントを有効活用する事をお勧めします

まとめ

ビタミンD不足は骨折リスク増加・筋力低下による転倒リスク増加だけではなく、種々の健康阻害要因のリスクを上昇させます。
またビタミンD不足者の割合は非常に高いです。ビタミンD不足の対策のために積極的に紫外線を浴びたり、魚やキノコ類などを摂取する事で、ビタミンDを充足させていく事で病気の予防をしていく事が非常に大切になります。

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