「なぜ体が柔らかくなるのか」
「何が伸びているのか」
「どれくらいやれば効果があるのか」
ストレッチで体が柔らかくなるメカニズムや、効果的な方法、そして最新研究で分かってきたことを科学的に分かりやすく解説していきます。
ストレッチをすると体は本当に柔らかくなるとは?
ストレッチをすると筋肉が伸びて柔らかくなるって思っていませんか?
実際にはストレッチによって起こっている事は、筋肉そのものが伸びているだけではありません。
例えば、前屈で床に手がつかなかった人が、ストレッチ後に少し深く曲がれるようになることがあります。筋肉が柔らかくなったと感じますが、研究では筋肉自体の硬さは大きく変わっていないと報告されています。
何が変わっているのかという、痛みや伸ばされる感覚への慣れと言われています!
ストレッチで筋肉が伸ばされると、伸ばされる痛みによって無意識に動きを制限していますが、繰り返し伸ばすことで痛みに慣れて以前よりも動くようになります。
柔軟性とは筋肉そのものの変化だけでなく、神経や感覚の変化が大きく関わっているんです!
長期的に継続することで筋肉そのものにも変化は起こりますが、最初に起こるのは感覚の変化だとわかってきています。
柔らかくするのに重要なのは痛みへの慣れだと知っておきましょう!

ストレッチで体が柔らかくなるメカニズム
筋肉は力を入れると収縮し力を抜くと元の長さに戻り機能があり、筋肉自体には自ら伸びる機能はありません。なので、急激に伸ばされすぎないようにする安全装置が備わっています。
この安全装置を筋紡錘といい、筋肉の長さの変化を感じとる役割があります!
急激に伸ばされると筋紡錘の安全装置が働き、反射的に筋肉を縮める伸張反射を起こします。
勢いよく前屈をすると、途中で急につっぱっていかなくなるのは、この筋紡錘が働き伸張反射により筋肉を守ろうとしているんです。
反動を使って勢いよく伸ばすストレッチは、伸長反射によって柔軟性を高められないのが分かると思います!
筋肉を柔らかくするのに重要になのが、ゆっくり伸ばすスタティックストレッチです。
スタティックストレッチにより筋肉の緩みセンサーであるゴルジ腱器官を働かせます!
ゴルジ腱器官は、筋肉にストレッチがかかり続けると、これ以上緊張すると危険と判断し、筋肉を緩ませる働をします。
ストレッチで柔らかくなっているのは、筋肉を守る反射から筋肉を緩ませる状態へ変化してるということです。
ストレッチでは勢いよく伸ばすよりも、ゆっくり呼吸を止めず少し痛気持ちいい程度でゆるむませることが重要になります。

どれくらいやれば柔らかくなるの?
体育の授業などで、ストレッチを10秒カウントしながら行った経験ありませんか?
研究では筋肉を柔らかくするためには、10秒よりも長い時間が必要であることが分かってきています!
ではどれぐれいの長さのストレッチをどれぐらいの頻度で行うことで、柔軟性向上効果があったのか見てみましょう。
30 and 60 seconds of stretching were more effective at increasing flexibility than stretching for 15 seconds.
「30秒や60秒のストレッチは、15秒よりも柔軟性改善に効果的だった。」No significant difference existed between stretching for 30 seconds and for 1 minute.
The effect of time on static stretch on the flexibility of the hamstring muscles
「30秒と60秒の間には有意差がなかった」
30秒未満の短いストレッチには柔軟性向上の効果がなく、短くても30秒以上はストレッチを維持する必要があるようです。
performing stretching at least 5 days a week for at least 5 min per week using static stretching may be beneficial to promote ROM improvements.
The Relation Between Stretching Typology and Stretching Duration
「スタティックストレッチを週5日以上、週合計5分以上行うことが、可動域改善に有効である可能性が示された。」
一つの部位に対して週合計で5分以上のスタティックストレッチを週5回に分けて行うのが効果的ということですね。
1日1分を週5回と覚えておくと継続しやすいですね!

ストレッチしてもすぐに硬くなってしまう
ストレッチをした直後は、動きやすくなり伸びるようになったと感じますが、時間と共に硬さがすぐ戻ってしまい、このままじゃ柔らかくならないと感じませんか?
ストレッチした直後は神経の緊張低下、痛みへの慣れ、抵抗感の低下が起こり可動域が広がりますが、筋肉や腱はコラーゲンなどの強い組織で構成されているため、時間が経つと体は元の状態へ戻ろうとすることで起こります。
ストレッチ効果は数分〜十数分程度で徐々に減少していくと言われています!
つまり、1回ストレッチをしただけで、ずっと柔らかい状態が続くわけではありません。
最近の研究では、週5回のスタティックストレッチによって、筋肉はやらかくなり関節可動域は改善すると報告されています。短期的には感覚の変化が中心なので硬さが戻った感覚がでますが、長期的には筋肉や腱にも変化が起こり柔軟性が向上していきます。
柔軟性改善は1回だけ長くやるよりも、短時間でも継続して行うことが最も重要です!
ストレッチは魔法のように一瞬で体を変えるものではありませんが、正しい方法で継続することで柔らかいきやすい体に変わっていきます。

柔軟性を高めるテクニック
可動域を広げるのに大切なのが、痛みを感じにくくしたり、神経の緊張を和らげることが大切でした。
ストレッチ以外の刺激によっても、伸ばしやすくなるテクニックを紹介します!
入浴する
お風呂上がりに体が動かしやすくなった経験がある方も多いのではないでしょうか。
これは、温めたから筋肉そのものが柔らかくなるというより、痛みや緊張を感じにくくなることで動かしやすくなっていると考えられています。
温めたから筋肉がゴムのように伸びたというよりも、脳や神経が動きに対して抵抗が少なくなったイメージです!

アイシング
意外かもしれませんが、冷やすことでも可動域が変化する場合があります。
冷却によって感覚が鈍くなることで、痛みを感じにくくなり伸ばしやすくなります。
冷やしすぎると筋出力やパフォーマンス低下につながるため、運動前に長時間冷却するのはNGです!

筋膜リリース
ローラーやマッサージガンを使用しほぐすことで、ストレッチがよりしやすくなります。
知っておいてほしいので、筋膜はベリベリ剥がれるようなものではなく、全身に広がる強靭な結合組織です。ローラーやマッサージガンで数十秒押した程度で、癒着がベリベリ剥がれるみたいな現象は起こりにくいと考えられています。
研究ではフォームローラー後に、可動域改善だったり痛みの軽減は起こりますが、筋膜の構造そのものが大きく変形した証拠はそこまで強くありません。
有力なのは感覚受容器が刺激され痛みや感覚が抑制されている可能性です!
筋膜をはがしているというより、圧刺激による感覚の変化や神経の緊張が緩むことで、可動域が広がると考えられています。
なので、ストレッチ前にリリースするとさらに可動域を広げやすくなります。

体の内側から柔軟性を高める
柔軟性を高めるためには、ストレッチにプラスして栄養にも目を向けるとさらに効果的です。筋肉や筋膜、関節は食べたものから作られており、体の状態は日々の食事の影響を大きく受けているからです。
水分やミネラルの不足、慢性的な炎症や筋肉不足は緊張や関節の動きづらさにも関係しています!
ここからは、柔軟性や可動域改善をサポートする栄養素やおすすめの食材について解説していきます。
アボカド
アボカドの栄養素で柔軟性向上に効果的なのがカリウム、マグネシウム、不飽和脂肪酸です。
カリウムやマグネシウムは筋肉や神経の働きに重要なミネラルです!
筋肉は、縮む緩むを繰り返すことで正常に動いていますが、マグネシウム不足が起こると、筋肉がうまく緩めなくなり緊張につながります。その結果、つりやすくなったり張りやすくなります。
また、カリウムは細胞内の水分バランス維持にも関与しており、筋肉や筋膜のコンディション維持にも重要な役割を持っています。
さらに、不飽和脂肪酸は炎症を抑え、関節の動きづらさを予防してくれます。
アボカドを食べただけで急に体が柔らかくなるわけではありませんが、筋肉や神経が正常に働くことは柔軟性や可動域改善の土台になります!
ストレッチや運動の効果を高める意味でも、体の内側からコンディションを整えることは重要です。

サーモン
サーモンで注目したいのが、EPA・DHA、ビタミンDです。
EPA・DHAには炎症を抑える働きがあり、慢性的な炎症により筋肉が動きづらくなっている方にはとても効果的です。筋肉が緊張しやすかったり、疲労が抜けにくい方は慢性炎症の可能性があります。
慢性炎症の状態ではストレッチを継続しても効果を感じづらくなってしまいます!
EPA・DHAはこうした炎症反応を抑えることで、筋肉や関節が動きやすい状態をサポートしてくれます。
さらに、サーモンにはビタミンDも多く含まれています。
ビタミンDは骨だけでなく筋機能にも関与しており、不足すると筋力低下やパフォーマンス低下にもつながることが報告されています。
ビタミンDは日光を浴びることで作られるので、室内生活や日焼け止めによりビタミンD不足が多いとも言われています。サーモンを食べることで不足しがちなビタミンDを補うことで柔軟性向上に期待できます。

生姜
筋肉は冷えや血流低下が起こると、筋肉の粘性が増加したり、筋膜の滑走性が低下し、筋肉が張りやすかったり動きかづらい状態になります。
生姜は、古くから血流を促す食材として知られており、柔軟性や可動域改善に効果を期待できる食材です。
ジンゲロールという辛味成分は血流促進作用を持つことが知られています!
さらに、生姜を加熱・乾燥するとジンゲロールの一部がショウガオールに変化します。
ショウガオールは体を温める作用が強くなり、より血流を促して筋肉がうまく緩みやすくなることにつながります。

体を柔らかくするために知って欲しいこと
柔軟性とは単純に筋肉が硬い・柔らかいだけで決まっているわけではありません。
筋肉を守る反射や痛みの感じ方、神経の緊張、筋膜の滑走性、血流や疲労状態など、さまざまな要素が関係しています。
ストレッチをすると一時的に可動域は広がりますが、何もしなければ体は元の状態へ戻ろうとします。しかし、短時間でも継続してストレッチや運動を行うことで、「ここまで動いても大丈夫」という感覚が脳や神経に少しずつ学習されていきます。
さらに長期間継続すると、筋肉や腱、筋膜などの組織にも変化が起こり、徐々に動きやすい体へ変わっていく可能性があります。
この記事の内容は、LIBONA公式YouTubeでも動画で解説しています。記事には記載していない内容もあるのでぜひあわせてご覧ください。
東京都豊島区巣鴨駅から徒歩2分にある当店LIBONAではトレーニングとともにストレッチや整体も行っています。
硬い部位を中心にリリースから行い、じっくりと可動域を広げるストレッチを行うため、効果的に柔軟性を向上できます。
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