
パーソナルトレーナー、インストラクターはフリーランスの方が多く、仕事のかたわら自身で営業や経理を行う必要があります。周りのフリーランスから確定申告はどうすればいいか分からない、白色申告・青色申告とあるけれど違いが分からないなど耳にします。
経理を始めようと思っても見慣れない言葉が多く、挫折してしまいがちですが、仕組みを理解すれば思ったよりも簡単にできてしまいます。
今回は確定申告とは何か、白色、青色はどうすればいいのか説明します。

確定申告とは
副業のない会社員は申告の必要はありませんが、フィットネスクラブでアルバイトをしながら、フリーランス活動を行っている方など、副業や個人事業を行っている方は申告の必要があります。
大手企業や公務員など勤務先の信頼が高い方とは異なり、フリーランスという立場上、テナントやお金を借りる際、不動産や銀行・金融機関からの信頼がありません。その信頼はどこからくるかと言うと、確定申告で作成する決算書や納税証明により信頼を得る事が出来ます。

青色申告のすすめ
確定申告には白色申告・青色申告と2つの申告方法があり、青色申告の方が提出資料が多い為少々手間ですが、どちらも帳簿付けの義務があるので、会計ソフトを利用すれば大差はありません。
私の考えとしては、事業を行っているのであれば青色申告を行った方がいいと思います。
「今の売上なら白色で良いと聞いた」や「経理の時間がもったいない」など聞きますが、

青色申告のメリット
なぜ将来の投資になるかと言うと青色申告で得られるメリットが大きいからです。様々なメリットがありますが大きく分けて4つあります。
・儲けから差し引ける控除額が大きい
・大きな買い物をした時の計算が楽
・赤字を繰り越せる
・家の家賃や光熱費を経費に出来る
それぞれを細かく見ていきましょう。
儲けから差し引ける控除額が大きい
税金などは儲けの金額から計算されるで、儲けの額が少ない方が支払う税金が少なくなります。
申告しなかった | 無申告加算税 |
白色申告or期限後の青色申告 | 10万円の控除 |
青色申告 | 55万円の控除 |
青色申告(電子データとe-taxによる提出) | 65万円の控除 |
令和2年分の確定申告から青色申告控除額と、一律に控除される基礎控除額が変更され、青色申告は電子データとe-taxによる提出による増額、基礎控除額は所得額から応じて変動するようになり、多くの方が48万円なりました。令和2年分の確定申告から一律に控除される基礎控除額が、所得額から応じて変動するようになり、多くの方が48万円なりました。
このように青色申告による儲けから差し引かれる額が増え、青色申告が優遇されているのが分かります。
大きな買い物をした時の計算が楽

大きな買い物とは事業で使う10万円以上の事を指し、10万円以上の買い物をした場合は、固定資産として減価償却する必要があります。
また難しい言葉が出てきましたが、10万円以上の買い物をした時は、種類により割り当てられた年数で分けて経費にしましょう!というのが減価償却です。
割り当てられた年数を耐久年数と言い、ほとんど資産に割り当てられています。詳しくはこちらをご覧ください。
他に10万円以上~20万円未満の買い物には白色申告・青色申告共通の償却方法として、割り当てられた年数に関わらず3年間で分けて償却する一括減価償却資産、通常の年数で償却する通常減価償却という方法があります。
赤字を繰り越せる

青色申告では赤字が出た場合、3年間繰り越して計上する事が出来ます。
新規事業を立ち上げのイニシャルコストを年内ペイ出来ず赤字が出た場合、青色申告の場合は赤字を繰り越せ、来期が黒字の場合相殺する事ができます。
1年目 | △300万円 |
2年目 | 200万円 |
3年目 | 200万円 |
こちらの例ですと、1年目は赤字の為、所得税はかかりません。
青色申告では、2年目も1年目の△300万繰り越せる為、差し引き△100万円になり、この年も所得税はかかりません。更に3年目1年目の残り△100万円繰り越し、100万円分の所得税となります。
家の家賃や光熱費を経費に出来る

白色申告、青色申告共に事業で使用した分の家賃や光熱費は経費として計上することが出来ます。この事業で使用した分を計算して計上することを家事按分と言います。
経費として計上するには「だいたいこれくらいだろう」ではなく、例えば事業で使用しているコンセントの数から電気代を計算など、理由が説明できる根拠が必要となります。
「業務の遂行上直接必要であったことが明らかにされる部分」は、業務の内容、経費の内容、家族及び使用人の構成、店舗併用の家屋その他の資産の利用状況等を総合勘案して判定する。
国税庁「家事関連費」
これを元に見ていくと、白色申告では50%以上事業で使用した家事費用のみとなり、自宅をトレーニングスペースやスタジオとして使用している以外適応されません。
1ヶ月としては大きな金額ではありませんが、1年としてみると青色申告のメリットは大きくなります。
青色申告の手続き
白色申告から青色申告にすぐに移行しようと思っても、移行の手続きには期間があります。
- 新たに事業を始めた人 : 開業から2ヶ月以内(開業日が1月1〜15日の場合は3月15日まで)
- 白色から青色に変更 : その年の3月15日まで
3月15日から遅れてしまうと、青色申告ができるのが1年後となってしまうので注意が必要です。
提出資料
青色申告へ移行するには「青色申告承認申請書」と「開業届」が必要です。
それぞれの書き方を紹介します。
青色申告承認申請書
記入欄が多いですが、難しい内容はないので例にならって記入していきましょう。用紙のコピーはこちらからどうぞ。

① | 所轄の税務署 (例)LIBONAは豊島区なので豊島区と記入します。 |
② | 提出年月日 |
③ | 自宅や事務所の所在地 自宅が事務所の場合は住民票の住所を記入します。 |
④ | 氏名 印 生年月日 |
⑤ | 職業内容が分かれば足りるので、スポーツトレーナーやスポーツインストラクターを記入します。もしくは 249 専門的職業従事者と記入します。 屋号がない場合は空欄で良いです。 |
⑥ | 青色申告ははじめる年 |
⑦ | 屋号 事務所の住所 |
⑧ | 個人事業主の場合、事業所得を選択 |
⑨ | はじめての場合は「無」を選択 |
⑩ | 65万円控除を受ける場合は「複式簿記」を選択 |
⑪ | 65万円控除を受ける場合には、以下を選択 現金出納帳、売掛帳、買掛帳 、経費帳、 固定資産台帳、預金出納帳、総勘定元帳、仕訳帳 |
個人事業の開業届出・廃業届出等手続
青色申告承認申請書の他に、開業届の提出が必要となります。
開業届のコピーはこちらからどうぞ。
マイナンバー記入欄があるので、通知カードやマイナンバーカードと免許証などの身分証明書が必要となります。念のためコピーを持参していきましょう。

① | 開業に丸をつける |
② | 所轄の税務署 (例)LIBONAは豊島区なので豊島区と記入します。 |
③ | 提出年月日 |
④ | 自宅や事務所の所在地 自宅が事務所の場合は住民票の住所を記入します。 |
⑤ | 氏名 印 生年月日 |
⑥ | 通知カード、マイナンバーカードにならって記入します。 |
⑦ | 職業内容が分かれば足りるので、「スポーツトレーナー」や「スポーツインストラクター」を記入します。もしくは「 249 専門的職業従事者」と記入します。 屋号がない場合は空欄で良いです。 |
⑧ | 開業に丸をつける。 |
⑨ | 開業日を記入します。 この開業日が青色申告計算をはじめる起算日となります。 |
⑩ | 添付資料の有無を記入します。 青色申告承認申請書欄の「有」をチェック。 課税売上が1000万以上の場合は課税事業者となるので「有」をチェックし、そうでなれば「無」をチェック。 |
⑪ | 事業内容を記入します。 |
⑫ | 従業員など雇用がある場合記入します。 |
提出について
提出時にはそれぞれコピーを持参し、事業をどれだけ継続しているかの証明にもなりますので、控えを作成しておきましょう。
郵送で申請する場合は、切手を貼った返信用の封筒を同封する必要があります。
まとめ
フリーランスは仕事のかたわら経理も行う必要があり、おろそかにしてしまいがちです。しかし、フリーランスは大手企業や公務員と異なり社会的な信用が低い分、決算書を元に信用がはかられます。
青色申告は経理をしっかり行っている証明になるだけでなく、儲けから引かれる控除も白色申告より優遇されている為、事業を続けて大きくしていきたいのであれば青色申告を選択する方が将来への投資にもなります。
まずは、申請が必要になるため、期間内に税務署へ申請することからスタートしましょう。
経理の基礎知識についてはこちらのブログをご覧ください。

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