「ダイエットしているのに痩せない」
「食事も運動も頑張っているのに体脂肪が落ちない」
その原因は、睡眠不足かもしれません。
睡眠時間が減るとストレスホルモンや食欲増進ホルモンが増えたり、ダイエットの妨げになる原因に。
中々寝付けない方は、睡眠薬、睡眠サプリ、栄養ドリンクを摂取する方も多いのではないでしょうか?
しかし、これらはあくまで対症療法であり、根本的な解決にならないケースも少なくありません。
そこで注目したいのが、日常の食事から睡眠を整えるという考え方です。
日本人の約3〜4割が不眠症状を抱え、約1割が慢性不眠症と報告があるようです。
特に女性に多くて歳を重ねるにつれて増加傾向にあるとか。睡眠薬を服用している人も増えているようですね。
「国民病」とも呼ばれているほど不眠の悩みを抱える方は多いです。睡眠薬は依存性があったり精神疾患にも繋がりやすいので、食材で快眠になってほしいですね。
睡眠とダイエットの関係
睡眠時には、脳と体の整理と修復が行われています。
体内では、成長ホルモンが分泌され、筋肉や内臓皮膚などの修復をしたり、自律神経やホルモンバランスが整えられ免疫機能も回復します。
ですが、この睡眠が不足すると最初に影響を受けるのが食欲を調整するホルモンです。
睡眠不足の状態では、食欲を抑えるホルモン「レプチン」が減少し、反対に食欲を高めるホルモン「グレリン」が増加します。その結果、実際に満腹にも関わらず「もっと食べたい」と感じやすくなり特に甘いものや脂っこい食品を欲しやすくなります。

さらに、睡眠不足はインスリンの働き(インスリン感受性)を低下させます。
インスリンは血糖をエネルギーとして細胞に取り込む重要なホルモンですが、その効きが悪くなると、余った糖が脂肪として蓄積されやすくなります。
つまり、同じ食事内容でも睡眠不足の状態では体脂肪が増えやすくなるのです。
また、成長ホルモンは脂肪の分解や筋肉の修復を行いますが、この成長ホルモンの分泌が減少しストレスホルモンであるコルチゾールを増やしたり「脂肪が燃えにくく筋肉も落ちやすい体」になってしまいます。これらによって、内臓脂肪が蓄積されやすく所謂「お腹周りに脂肪がつきやすい」状態を招きます。
つまり、睡眠不足は疲労感だけでなく食欲増加・脂肪蓄積・脂肪燃焼低下という、太りやすい条件も同時に引き起こしてしまうのです。
健康の三大要素である食事・睡眠・運動。実は土台となるのは睡眠なんです。
「睡眠→食事→運動」の順で循環するので、まずは睡眠を整えることが大切です。
睡眠で内分泌系を整えて、バランスの取れた食事で胃腸を整え、適度な運動で代謝やメンタルを向上させるのが理想ですね。
睡眠薬のリスク
眠れない日が続くと「睡眠薬に頼ったほうがいいのでは」と考える方も少なくありません。睡眠薬は、医師の管理下で正しく使用すれば、一時的に睡眠を助ける有効な手段です。
しかし、仕組みを理解せずに使い続けることにはリスクも存在します。
まず知っておきたいのは、多くの睡眠薬は「自然な眠りを再現しているわけではない」という点です。
睡眠薬の多くは、脳の活動を抑制することで意識を落とし眠ったような状態を作ります。そのため、睡眠時間は確保できても、深い眠り(ノンレム睡眠)が十分に得られないケースがあり「寝たはずなのに疲れが取れない」「朝スッキリしない」という方が多いです。
次に問題となるのが依存性と耐性です。
睡眠薬を使い続けると、同じ量では効きにくくなり量を増やさないと眠れなくなることがあります。
「薬がないと眠れない」という依存が生まれることも少なくありません。

睡眠薬は「眠れない原因」そのものを解決するものではありません。
ストレス、自律神経の乱れ、生活リズム、食事、運動不足など、根本原因が改善されないままでは、薬をやめた途端に再び眠れなくなるケースも多く見られます。
重要なのは、睡眠薬を「悪いもの」と決めつけるのではなく、短期的なサポートとして位置づけることです。並行して、健康の三大要素である食事と運動も見直しながら、自然に眠れる体を整える取り組みを行うことが大切です。
薬がダメというわけではないですが、睡眠は元々体に備わっている回復機能です。本来備わっている能力を薬で頼ってしまうと機能そのものが弱くなってしまいます。
なので、生活習慣などで変えられるといいですね。
睡眠時間も大切ですが、質の良い睡眠をとることも大切ですね。
生活習慣を変える一つとして、入眠しやすい食事をすることも重要です。
眠れない理由はGABAかも
入眠が遅れる人の多くは、「体」ではなく「脳」が休めていない状態です。
布団に入っても考え事が止まらない、些細な音が気になる、心拍が落ち着かない。これは交感神経(活動モード)が優位なままで、副交感神経(休息モード)に切り替わっていないサインです。
このとき脳内では、神経を興奮させる物質が優位になり、本来ブレーキ役となる”GABA(ギャバ)”の働きが追いついていません。その結果、休息モードへ入りづらく入眠が遅れてしまうのです。
GABA自体は体内にありますが、たくさん使ってしまうと必要な時に使えない状態になってしまします。その結果、睡眠の質が悪くなり、太りやすくなり、運動も疎かになってしまうという悪循環です。
GABA(ギャバ)とは?

GABAは、γ-アミノ酪酸(Gamma Amino Butyric Acid)の略語です。アミノ酸の一種であり人の脳内では抑制性神経伝達物質として働きます。簡単に言うと、GABAは脳のブレーキ役です。
私たちの脳内では常に、興奮を促す物質(アクセル)興奮を抑える物質(ブレーキ)がバランスを取りながら活動しています。
GABAが十分に働いている状態では、頭が落ち着く、考えすぎが止まる、不安感が和らぐ、心拍数が安定するといった体の状態が作られます。つまり「眠れる脳の状態」を作るために欠かせない物質 なのです。
一般的には1日約50〜100㎎の摂取が目安と言われています。
実際は、生活習慣やストレス環境などの個人差があるため、必要とする量も人それぞれで異なるようです。
GABAが不足しやすい人
本来GABAは体内でも作られますが、以下の条件が重なると不足しやすくなります。
慢性的なストレス・情報過多・運動不足・加齢など、特にストレスが強い状態では脳は常に「戦闘モード(交感神経優位)」になります。
このような戦闘モードの状態が長く続くと、脳は「危険に備えろ」という指令を出し、神経の興奮を抑えるためにGABAが大量に動員されます。GABAが消費されやすく、夜になっても神経がオフにならないという悪循環に陥ります。
短期的なストレスであれば問題ありませんが長期的に続いてしまうと、GABAは回復する前に使い切られてしまう状態になります。
その結果、「疲れているのに落ち着かない」「休みたいのに頭が止まらない」という矛盾した状態が生まれます。
デスクワークした後で、体は疲れていないのに脳が疲れていて、重だるいと感じるような現象と似ていますね。まだ動けるのに、脳が疲れると筋肉も疲れたと指令が出てしまうようです。
96名の健康な人を対象に、運動時や、デスクワークなどの精神作業時に、どこにどのくらい疲労が生じているかを計測する負荷試験を行った。その結果、スクワットなどの筋肉をいためつけるような一部の激しい運動を除いて、自転車こぎやジョギングなどの有酸素運動を4時間やった程度では、筋肉はほとんどダメージを受けないという結果が出たのだという。
出典:日経Goodday「明らかになった疲労の正体!肉体疲労と頭の疲労は同じだった」
GABAが睡眠に与える影響
国内外の研究では、GABA摂取によって様々な効果が報告されています。
特に、入眠までの時間短縮・深いノンレム睡眠の増加・夜間覚醒の減少・起床時の疲労感軽減などに効果が発揮されるようです。
睡眠は単に「長く寝ればOK」ではなく、睡眠の内容が重要です。深い睡眠(ノンレム睡眠)がしっかり取れていると、脳と体は回復しやすく翌日のパフォーマンスにも影響します。
GABAの摂取によって「深い眠りが増える」「途中で起きにくくなる」といった報告が出ているのは、神経の興奮が鎮まり、睡眠が安定しやすくなるということですね。
つまりGABAは、「無理やり眠らせる」のではなく「睡眠を“邪魔している要因”を鎮め、睡眠を安定させる」このようなイメージです!
GABAは「万能」ではなく“土台を整える補助”
GABAは睡眠薬のように「飲めば必ず寝られるようになる」といったものではなく、効果の出方には個人差があります。
なぜなら、睡眠はGABAだけで決まるのではなく、体内時計(メラトニンのリズム)・ストレス量(交感神経の強さ)・光環境(スマホ・照明)・カフェイン・飲酒・夜食・運動不足や冷えなど複数の要素が絡み合うからです。
そのためGABAは特効薬ではないですが、眠れる状態に戻すための補助的な役割と捉えるのが良いでしょう。
睡眠は複数の要因が重なり連鎖していくので、これだけ!ではなく視野を広げてみることが大切ですね。健康の三大要素である、食事と運動の見直しも行うことをおすすめします!

意外な快眠食材〇〇〇
GABAはサプリメントだけでなく、一部の食品にも自然に含まれています。
その代表例がトマトです。GABA含有量が最も多い食材で、脳と神経を落ち着かせ自然な眠りに導く成分が複数含まれています。
一般的な中玉トマト(約150g)には、約30〜40mg前後のGABAが含まれており、トマト2〜3個、トマトジュース1〜2杯で一般的な摂取量である100mgに近づきます。
また、GABAが多く含まれる食材として、メロン・かぼちゃ・なす・じゃがいも・発酵食品や発芽玄米などもおすすめです。
眠りに良い成分が入っているだけではなく“入眠を邪魔する条件”を複数方向から減らせることにあります。
元々GABAの含有量は多いですがGABAを増やしたトマトも増えているようです!ちなみに、ホールトマトの缶詰が1番おすすめです。手軽に摂取できるのも魅力ですね。
トリプトファンとメラトニンの関係
トマトにはトリプトファンも含まれています。
トリプトファンは体内で、トリプトファン→ セロトニン→ メラトニンへと変換されます。
メラトニンは、体内時計を調整し眠気を引き起こすホルモンです。特に重要なのは、夜にメラトニンがしっかり分泌されるかどうか。
トマトはその材料を自然に補給してくれます。
リコピンとビタミンC
ストレスが強いと、コルチゾール(ストレスホルモン)が増えます。
コルチゾールが高い状態では、眠りが浅くなる、夜中に目が覚めやすい、朝早く目が覚めてしまうといった影響が出ます。食欲増進ホルモンも出やすくなり、太りやすくなることもあります。
しかし。トマトに含まれるリコピン・ビタミンCは、酸化ストレスを抑え自律神経を整えることで、睡眠の“土台”を支えてくれます。
「食事から摂る」メリット
サプリメントと違い、食品から摂るGABAには、過剰摂取リスクが低く他の栄養素も同時に摂ることができて、毎日の習慣にしやすいというのがメリットです。特に睡眠は「継続」が重要なため無理なく続く方法が最優先です。

睡眠を助ける自然な方法
ラベンダーの香り
ラベンダーの香り成分「リナロール」は、GABA受容体に作用することが知られています。
嗅覚は、感情や自律神経を司る「大脳辺縁系」に直結しています。
そのため、香りは脳へ直接届きすぐにリラックス効果が現れやすいのです。アロマオイルやキャンドルなど手軽に実践できるのでぜひやってみてくださいね。
目元が疲れている方には、ホットアイマスクもおすすめです。ラベンダーの香りもありますよ。
ホットミルク・バナナ・ナッツ
ホットミルク→ トリプトファン+体温上昇
バナナ→ マグネシウム・ビタミン
ナッツ類→ GABA・メラトニン
「寝る前にお腹が空く」という方にも血糖を安定させる意味で有効です。
寝る前に食事をすると、消化をするために力を使って睡眠の質が悪くなってしまうので、このような消化に良いものを摂取するのがおすすめです。
ホットミルクに蜂蜜を入れたり、アーモンドミルクに変えても良いですね。
夜ご飯の時間と量
夜ご飯の「時間」と「量」は、睡眠の質に大きく影響します。
特に40〜60代の方に多い、夜中に目が覚める・朝スッキリしない・寝ても疲れが抜けない
こうした悩みは、実は夕食の取り方が関係していることが多いのです。消化にはエネルギーが必要です。
胃腸が働いている間、体は“活動モード”のままになり、深い睡眠(ノンレム睡眠)が浅くなります。特に脂っこい食事や量が多い食事は、消化に4時間以上かかることもあります。
特に「糖質+脂質」の組み合わせ(丼物・ラーメン・揚げ物など)は、血糖値の乱高下を起こしやすくなります。
逆に「夜は抜いた方がいいですか?」と聞かれることがありますが、実はこれも睡眠の質を下げます。
夜中の低血糖・コルチゾール分泌の増加・交感神経が優位になることで2〜3時間後に目が覚めたり、夢を見ることが多くなったり疲れやすさにも繋がります。
夜は「体を回復させる時間」です。ポイントは、腹八分目・たんぱく質は必ず入れる・糖質はゼロにしない(握りこぶし1つ分程度)・脂質は控えめに。
この4つをぜひ守ってみてくださいね。夜は体を回復させる時間なので、消化にエネルギーを使いすぎないことが深い眠りにつながります。

快眠は「特別な努力」ではなく「選択の積み重ね」
睡眠は単なる休息ではなく、脳・神経・ホルモン・代謝を回復させるための重要な生理機能です。
しかし現代人は、ストレスや情報過多、スマホの使用、運動不足などにより、交感神経が優位な状態が続きやすく、「体は疲れているのに眠れない」状態に陥りがちです。
こうした背景の中で注目されているのが、GABA(γ-アミノ酪酸)
GABAは神経の興奮を抑えるブレーキ役として働き、入眠しやすい状態を整えてくれる作用があります。睡眠薬のように「無理やり眠らせる」のではなく、眠りに向かう準備を助ける存在であるという点です。
トマトは、このGABAを自然な形で含む数少ない食品のひとつです。さらに、睡眠ホルモン・メラトニンの材料となるトリプトファンや、ストレス状態を和らげるリコピン・ビタミンCも同時に摂取できるため、睡眠を多角的に支える食材といえます。
また、睡眠不足は食欲ホルモンやインスリン、成長ホルモンに影響し、太りやすく痩せにくい体質をつくることも分かっています。つまり、ダイエットや体調管理の土台としても睡眠は欠かせません。
睡眠薬は一時的な助けになることはありますが、根本的な原因を解決するものではありません。だからこそ、食事・光環境・運動・リラックス習慣といった日常の積み重ねで「眠れる体」を作る視点が重要になります。
まずは、今日の生活の中でできる小さな一歩として、
夕食にトマトを一品加えることから始めてみてください。
自然な眠りは、特別な方法ではなく、日常の選択の中にあります。
睡眠は、薬で作るものではなく環境と体で作るものです。
トマトは、GABA・トリプトファン・リコピンを同時に摂れる非常に完成度の高い快眠食材です。
まずは今日の食事にトマトを1品加えることから始めてみてください。
他にも、50代ダイエットの落とし穴や朝活とダイエットの効果など日々の生活に取り入れやすいブログがございます!ぜひご覧ください!
参考文献
- 厚生労働省「健康日本21」
- 日本睡眠学会 睡眠障害診療ガイドライン
- Yamatsu A. et al., 2015, Food Science & Nutrition
- Abdou A.M. et al., 2006, BioFactors
- NIH – Melatonin and Sleep
- 農林水産省 機能性表示食品制度
- 日本食品標準成分表(八訂)
- Walker, M. “Why We Sleep”
- Harvard Medical School – Sleep & Nutrition